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6/10 歌劇「明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~」

 まず、千秋楽おめでとうございます! 昼・夜公演がニコ生にてライブビューイングされるということで、今もなおネットチケット購入を悩んでいますが…… その前に、いろいろと思い出してみようかな?と言う事で、観劇の感想レポなんかを。

 

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 6月2日より銀座・博品館劇場で上演されている歌劇「明治東亰恋伽~朧月の黒き猫~」を6月10日に観てきました。(昨年末のハイステを観てから二次ヲタ友達のFちゃんが、及川さん役の遊馬くんにズブズブ落とされ、気付けば乙女ゲー原作舞台を見に行く事になるとは……)

 正直、”初めて”をたくさん経験した公演でした。

 

 まず、最初にときめいたのは、まさにこの劇場そのもの!

 作品の時代背景が明治とあって、その雰囲気を壊さぬレトロな劇場。公式サイトを拝見すると、始まりは正に作品と同じ明治時代と言うことで、その味を残したままに幾度かの改装を重ね、現在の10階建てビルとなっているようですね。

 周辺は少し奥まっている事もあって閑散としている印象も受けましたが、ビル前に行くと恐らく同様の歌劇を観る落ち着いた女性の姿が……! 友人と探り探りビル内へと入り、エレベーターで8階まで上がります。小さな劇場と言う事もあるかもしれませんが、該当階に到着すると丁寧にスタッフの方が出迎えてくれ、そのまま中へ。

 ロビー内は比較的シンプルなイメージがありますが、赤絨毯が敷き詰められている上に天井が低めな為にこじんまりとしていて、それなのに高級感がちょっと感じられます。ここまで劇場に好印象……。

 

 ですが、劇場内においては、正直前方席で観たほうが良い! という印象が強いです。どの劇場でも後方席になればなるほど全景を窺い見ることが出来、前方席とはまた違った感想を得られる事からそう言ったチケットを持って2回観に行く事もしばしばですが、ここは違う!

 理由として、まず「客席の斜度が低い」。のにも関わらず、「座席の並びが綺麗」

 サイドブロックであれば観え方も違うかもしれませんが、センターブロックの後方席、加えて中央寄りの席は、基本的に前の人の頭で見えません……。恐らく、わたしの前の席に座っていた方も同様だったのか、劇中に頭を左右に降るために、視界は狭くなる一方。

 基本的に肝心な描写がセンター位置で行われることが多かったので、そういう部分をしっかりと観られなかったのがショックです。うう、せめて座席をズラして見通しが良くなれば、と思うばかりです……。

 

 と、劇場の座席への不満を先に綴ってしまいましたが、肝心のめいげきは!

 

 一言で言えば、「一本の恋愛映画」そのもの。

 今回、乙女ゲーム原作の舞台・ミュージカルを観に行くのが初めて。乙女ゲーム関係は嫌いではないのですが、なかなか自分相手にされると言う事が気恥ずかしくて、キャラクターのクサい言動にむず痒くなってしまうのです……。全く耐性がない……。

 とは言え、今回はちゃんと芽衣ちゃんと春草さんの物語とあって、すごく見応えがありました。最後はもうこの二人が好きすぎてたまらない~~!と盛り上がったりもして。

 大凡の物語はサイトにも記載されておりますが、

 『ストーリーテラーであるチャーリーの導きで現代から明治時代の東京へとタイムスリップしてしまった女子高生・芽衣。タイムスリップした反動で自分の名前以外が全く思い出せない、所謂記憶喪失の状態に陥ってしまい、紛れ込んだ鹿鳴館の夜会で出会った森鴎外菱田春草川上音二郎泉鏡花小泉八雲、藤田五郎らに不審がられてしまう。帰る家が分からなければ、この時代での生き方も分からぬ芽衣に手を差し伸べたのは、鴎外であった。記憶が戻るまでの暫くの間、鹿鳴館に住むと良い、と一つの空き部屋を貸してくれたのだ。

 現代にすぐ戻ることを要求した芽衣だったが、満月の夜でなければ大きな手品は出来ない、とチャーリーはその要求を断り、また一ヶ月後に君が帰りたいと言うなら術を施す、と約束した。

 そんな最中、芽衣が”魂依(たまより)”だと発覚した。所謂、物ノ怪が見える人のことである。その物ノ怪を狩る事を生業とする藤田、物ノ怪の存在に興味を示す小泉は興味津々に主人公へと迫りより、同様に魂依である泉は釘を差した。物ノ怪が見える事をいい事に、鴎外は芽衣に「春草が描いた絵から飛び出た黒猫を探して欲しい」と依頼する。

 展覧会に出す絵だが、もう諦めている。と言う春草に対して、「私が見つけます!」と意気込む芽衣。昼夜探し回るそそっかしい芽衣から目が離せない春草。そんな春草は、日々襲い掛かる痛みに悶え苦しんでいた。

 眼病かもしれないと鴎外に相談された芽衣、絵を描けなくなる事に恐怖を覚える春草、――様々な思いが交錯し、段々と見つかり始める芽衣の記憶の欠片たち。一ヶ月後の満月の夜、芽衣が出した答えとは――?』

 ……思いの外長くなったのですが、こんなお話です。

 観劇し終わって思ったのは、脚本が大変素敵でした!もちろん、原作も余すことないストーリーの濃さではあるのでしょうが、脚本に散りばめられたピースが何一つ無駄もなく、綺麗に交錯し合い、見事なパズルが完成する事にすごく感動しました。

 

 なんと言っても、オチが凄く良かった。急に崩れますけど、ホントに良かった。

 パンフレットより鴎外役・荒木さんのお言葉を拝見した限りですと、原作とは異なるエンディング…… もちろん、乙女ゲームのハッピーエンドなら現代を捨てて、彼と共に過ごすと言うストーリー書きが普通ですよね。愛に生きる主人公、それもまた魅力的だったでしょうが、なんといっても今回は「私には”私の帰る場所”がある」と現実全てに立ち向かい、春草さんへの恋慕を抱えたままに現代へと戻る事を決意する芽衣ちゃんの悲しみや辛さ、現代では受け入れられなかった"魂依"としての自分も自分だと受け入れて胸を張る準備が出来たと成長ももちろん、現代にいるお母さんや家族を大事にする温かい気持ちと読み取る感情が本当に多くて、その分の別れが凄く感動的で、現実的だった。

 (後々見てみると、帰る.verと残る.verのエンディングがある模様……?)

 芽衣ちゃんの葛藤ももちろんですが、今回は春草さんの感情の難しさもありました。

 日に日に目に違和感や痛みを覚える春草さんを見兼ねた鴎外さんが、病院に行くよう言ってくれないかと芽衣ちゃんにお願いする事から、芽衣ちゃんも病気を抱えている事を知りました。けれど、「目が見えなくなるかもしれない」「絵が描けなくなるかもしれない」という不安から、現実を突き付けられるのが怖くて、診察にも行かなかったようです。

 芽衣ちゃんも春草さんも同じく、”現実が怖い”という言えない共通の悩みを持っていた、というのが二人を近づけた大きな理由でしょうか。

 

 春草さんが芽衣ちゃんに惹かれたのは、劇中は急じゃないか?!と思う部分もあったのですが、まず第一に女の子に免疫がない。更には、自己主張が下手というか不器用な自分に対して、思った事ははっきり言えるし、"いいことが良い"と言える真っ直ぐな子だった。と、同じ悩みを抱えながら、相反的な性格で、決して否定的でない彼女に好感を持った。加えて、そそっかしくて目が離せないと来ればもう、一日中考えちゃうよね。しょうがない。

 

 実際の、菱田春草さんは、1908年に眼病治療を開始し、1910年に今作品でテーマとなっていた黒き猫を描き、1911年に腎臓疾患にてなくなっています。あくまでも参考とした人物故に実際の事の運びとは異なる点がありますが、更に注目すべき文がWikipediaに!

 『妻をモデルにした女性の立ち絵の制作が、構図や妻の貧血などで行き詰ったためであった。』

 黒き猫を急遽描いた理由に添えられていましたが、この一文があったからこそ最後に春草さんが芽衣ちゃんに「君を描くよ!」と告げた形になったのでしょうか? 劇中では、現代に戻った芽衣ちゃんが自分を描いた絵を見るシーンがありましたが、行き詰まらず書き終えられた、というのは正に 愛の…… 力……(かいててかゆい)

 

 

 どんどこ話は変わりますが、キャラクター最優秀賞を授けるなら小泉八雲先生。

 ミラクル・ハイテンションだし、まさかの最後列まで走ってくる演出があり、「少しお話をきかせていただきたいのですが……」とお客さんに話しかけるシーンも。(私が観に行った時には走った勢いのせいか、ちょっとかみかみで可愛かったです笑)

 鼻にかけたような高い声で、「フジタサァ~ンッ」と話し掛ける瞬間がまさに秀逸。一瞬で虜にさせるような演技だった。汐崎アイルさんは、テニミュダビデくん役で拝見した程度ではありましたが存在感が本当に素晴らしく、舞台慣れしているだけあって動きも大変見ていて忙しかった(笑)もちろん、いい意味で(笑)

 

 日替わりの「いろは」での一コマでは、八雲先生 VS 藤田さんのあっち向いてホイッ!

 まさかの一発K.O.で八雲先生の勝ち!寧ろ、八雲先生の指の動きに流されるように顔を下に向けてしまった藤田さん。その瞬殺っぷりが大層面白く気に入ったのか、

 八雲「今のフジタサンのモノマネをしたいと思いマス……!」

 と、すごいノリノリで再現してたし、藤田さんは既に死んでしまいそうだった……。

 

 話題に挙げないからと言って別にどうこうあった訳ではなく、鴎外役の荒木さんはさすがの風格な上に舞台のムードメーカーと言っても過言ではない程に、彼の振る舞い方一つで舞台雰囲気が変わってゆく様が本当に圧巻でした。どんなにどシリアスな中でもぐいっと日常に引き戻す事も出来れば、味わい合う台詞を立たせるように真剣味を含ませる事も達者で、凄くあぁ綺麗な顔してこんなんはずるい……!といった感じ。

 川上役の遊馬さんは、ハイステ初演からの成長を強く感じました。経験豊富な方々に囲まれると矢張り演技力には差を感じますが、音二郎としての存在感や優雅な雰囲気を醸すのには十分過ぎる程でした。安定した台詞が聞こえてくるともっともっと存在感を放つんじゃないかなぁ、と…… ブリミュが観劇予定なので、さらなる成長を期待してます~!

 泉役の赤澤さんは、事前調べの範囲での「泉鏡花」という役はあまりにも二次元的過ぎるし、難しさ満点かなぁと思ってました。ツンデレはクドすぎると下手に見えてしまうし、あっさりし過ぎてもキャラ立ちしていないと不満が出る。……けど、素敵な声色をお持ちで、その塩梅を見事に調節されていて、あぁ本当はこう言いたいんだよね。と素直に可愛く見えて、登場時に違和感を覚えたウサちゃんも泉くんの愉快なお友達……と思うと、微笑ましくて仕方がなかった(笑)ぜひ、ゲームをやるときには泉くんルートを一番最初にやりたいくらいには、キャラ萌えもすごいし、そう思えるまでやり切ってくれた赤澤さん、とっても素敵!

 藤田役の吉岡さんは、バリかっこいい。正直惚れる……。正直この周辺の偉人に詳しくないので、存じあげなかったのですが新選組斎藤一さんの後のお名前なのですね。自分自身の意志に忠実で正義感も強く、男の中の男、といった感じでした。惚れすぎて個人ブロマイド買いました。あっ、どなたでも良いので、フジタサァ~ンがトレブロで大根を持っている理由を教えて下さい……。(惚れた奴へのコメントがすごい薄い……。なぜだろう……。)

 チャーリー役の安里くんは、今年4月に黒ステで初めて拝見した際には荒く濃いイメージがあったのですが、元のお顔が比較的あっさりしているのもありますが、演技の振り幅が広い事もあって別人のよう!いえ、別人を演じているのですが(笑) 主人公と唯一接点のある奇術師・チャーリー。その正体が物の怪とあって不思議な存在感を醸しながら、飄々とした出で立ちは見事なピエロ。すべての行動が主人公の芽衣ちゃんを想ってこそ、というのが本当に感動的でした。トレブロも二枚手に入れてハッピー☆

 春草さん役の橋本くんは、ハイステのノヤっさんで初めて拝見しましたが、本当に顔立ちがハッキリされていて発声も綺麗、舞台の立ち方が美麗で役としている、というのが本当に強い。さすが主演をされているだけあるなぁ、と。舞台上だと役者さんが明け透けている方も時折拝見しますが、今回は「橋本祥平」という人間であることを忘れるくらい、ずっと菱田春草くんでした。無駄のない息遣い、間、動き、すべてが見目麗しいと言うか…… もっと色んな舞台で見てみたい、率直にそう思える役者さんでした。惚れる……。

 芽衣ちゃん役の志穏ちゃんは、THE・ヒロインって言う感じで、純粋に可愛かった~! 夢女子を目の前に乙女ゲーム主人公実体化は時に批判対象になりかねないのかなぁ、と邪推?してたんですが、個人的には鼻にもつかない純粋無垢で真っ直ぐで、けど夢女子の王道は外さないちょっと引っかかるタイプの女の子。を見事に演じきり、感情の喜怒哀楽も決してお客さんを置いていく事なかったのが本当に素晴らしかった。トレブロ出て欲しかったな~!

 

 あぁ、すごいなんか書いた……。書いてる間に千秋楽始まってしまった……。ウェブマネーを買いに行く予定がなくなったので、後日タイムシフト視聴します……。う~んDVDも欲しくなってきちゃうなぁ~!見ると残したくなっちゃう病……。

 

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 上記が購入して来た公演パンフレット・個人ブロマイド(春草さん・藤田さん)・ランダムブロマイド5枚です~!(音奴が一枚出たのですが、友人が狙っていたので藤田さんと交換しました(੭*ˊᵕˋ)੭ チャーリーが二枚出てくれて嬉しかったな~♪)

 上演時間は19時開始の21時15分終了。休憩はありませんが、時間が長い!と感じる事も無く、アッと言う間の二時間余り。是非ご堪能下さい~♡